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2017.04.05

中東の内戦、いまも

3月10日(金) 「炎 アンサンディ」 19:00〜 於・シアタートラム

作/ワジディ・ムワワド 翻訳/藤井慎太郎 演出/上村聡史 出演/麻実れい(ナワル)、栗田桃子(ジャンヌ)、小柳友(シモン)、中嶋しゅう(エルミル=公証人)、中村彰男(アントワーヌ=元看護士)、那須佐代子(サウダ=ナワルの友人)、岡本健一(ニハッド)

2年半前と全く同じキャスト、スタッフによる再演。ただし、演出家は新たなシーンを加えたという。

作者ムワワドは1968年、レバノン生まれ。75年の内戦を逃れて家族とともにフランスに亡命、のちカナダ・ケベック州に移住。この「炎」もモントリオールの現在と過去、中東の現在と過去(内戦の時代)を行き来する。

見たのはもう1カ月近く前だけど、書いている今、レバノンの隣国シリアの内戦で化学兵器が使われたというニュースが。後ろにいる大国の思惑も、さらにクローズアップされて……。

前回見たときの記憶はまだ新しくて、ストーリーの大まかなところはわかっていた。見ながら思い出したりもしたし。わかっているからこその痛々しさも感じつつ、今回も濃密な時間を味わったのだった。重い内容なのに、自分の中で集中と発散が同時にできるというのか、不思議な感覚。

キャストもほんとに骨太かつしなやか、としか言えない。中で、シモン役の小柳友の成長ぶりを実感した。真実に辿りついたときの彼の痛みが伝わってきた。これは再演のたまものかも。そして、岡本健一の役も彼ならでは、なんだけど(歌いながら銃を撃つ、その相手の写真を撮るクレイジーな奴)、「ヘンリー四世」のホットスパーをも思い浮かべるような「熱」のありかだよ。

双子の死んだ母も、双子それぞれも、受け入れがたい真実を知った時に、言葉を発しなくなる。でも、それで終わるわけじゃない。
「読むこと、書くこと、話すこと」……苦労して手に入れた表現手段のことを思う。それらはこの世界で確かに力だった。

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