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2017.05.10

3日がかりで「王将」を見る、その1日目

5月9日(火) 「王将」第一部 19:00〜 於・下北沢 小劇場「楽園」

(新ロイヤル大衆舎)
作/北條秀司 構成台本+演出/長塚圭史 音楽/山内圭哉 出演/福田転球(坂田三吉)、常盤貴子(妻・小春)、江口のりこ(長女・玉江ほか)、大堀こういち(長男義夫/語り/菊岡博士)、山内圭哉(若い後家・お時、後援者・宮田ほか)、長塚圭史(関根名人)ほか

企画・製作の新ロイヤル大衆舎は、福田転球、大堀こういち、長塚圭史、山内圭哉の4人のユニット。山内さんは音楽、宣伝美術、そして方言指導を担当。そして大堀さんは、全体の語り(前説、〆も)に、子供の役など、4人それぞれに大活躍。

何しろ3部あるから、いつ見るかが大問題。先行で連休中に一日でまとめて見られる日を申し込んだけど、外れちゃって、バラバラに見ることにした。結果的に、今週はわりと暇だったからよかった。
そうそう、豪華な出演者なのに、劇場は下北沢・楽園。ここ、キャパは80くらいらしいのよね。席は整理番号付きの自由席。発券してみたら整理番号10でびっくりしたよー。(各部、一緒にカンフェティで購入したけど、第二部は65番だった)。

さて、第一部は、明治39年、天王寺の長屋で貧乏暮らしをする坂田三吉一家の姿から始まる。
*語りの大堀さんが、まずちっちゃい通天閣の模型を持って出る。実はこの年にはまだ通天閣はできてないのだけれど、北條秀司の脚本では、通天閣があるんだって。それと、いろいろ想像力が必要、とまず言うのは、あえて山内さんが長屋の女性を演じたりしてるからね(姉さんかぶりではあるけど、顎のヒゲあるよ)。

坂田三吉は、そもそも「草履表」を作る職人だけれど、その仕事も家庭も妻に任せっきりで、将棋のことしか頭にない男。新聞で「素人名人」と持ち上げられたりしたのが悪かったのか……とはいえ、彼は生涯文盲なのであるが。
よくできた、ほんと天使のような女房・小春と、人情味溢れる長屋の人たちとの暮らし。 そして、頭の中は常に将棋という、ある意味、無垢で単純で、でも厄介な男・三吉を演じる福田転球が、素晴らしいよぉ。

ライバルである東京の関根七段(のち名人)は、その名人就任パーティまで本人は登場しない。長塚圭史演じる関根は、三吉とは対照的に知性派だけど、互いに理解し合える存在。でも、周囲の思惑(有力後援者のメンツとか、大阪vs.東京とか)がそれを阻む。
名人就任パーティに駆けつけた三吉に、妻・小春の死を知らせる電話が。うーむ、この場面(主に電話口での三吉の台詞)泣かされました。

あと、長女・玉江役の江口のりこは、しっかり者でクールに父を諭すあたりの存在感が特に素晴らしい。

上演時間110分くらいかな。地下の小さい劇場で、ギュッと、そしてコテコテっとした「王将」の世界に浸ったのだった。

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