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2017.07.18

たっぷりポストトーク

7月17日(月・祝) 「子午線の祀り」ポストトーク 17:15ごろ〜

出演/(上手から)成河、若村麻由美、野村萬斎、司会・山口宏子(朝日新聞社)

公演期間中、ポストトークは2回。たまたま2回とも聞くことになった。萬斎独演会だった前回とは違って、司会者が話を振るスタイル。
「子午線の祀り」終演がほぼ17時。そこから15分強の休憩を挟んで始まり、18時ちょっと過ぎまで。
*司会の山口さんは、パンフレットでも「野村萬斎に聞く」を執筆。

メモを取るような場ではないな、と思ったんだけど、聞きっぱなしでだいぶ頭から抜けちゃったワ。やっぱりメモればよかった。
若村さんは、割と「素」が出るタイプらしくて、稽古中もしばしば萬斎さんとぶつかってたと成河さんが言ってたけど、その片鱗も(そして舞台上であまり気取ってない=疲れてます感 でも、もちろん応答はきちんと真摯に)。

今回の新演出版(=アップデート)は、やはり萬斎さんの意識の部分から。ギリシア悲劇+シェイクスピア、そして能の構造、ということよね。なんだっけ、「オイディプス」で得たこと、というのもおっしゃってたな。ギリシア公演のことだったかもしれない。

そして今までは伝統芸能の役者が演じてきた義経を、そもそもはつかこうへい劇団出身の成河くんが演じる、ということがキャスティングのキモではあったよう。カンの声と俊敏な動きを持っているから。成河くんは、万作さんの義経の声を、聴き込んだとのこと。

木下順二の脚本では、冒頭の声は「読み手A」「読み手B」としか書かれていない(実際には、知盛役と影身役が読んでいる)。しかしエピローグは「影身の内侍を演じた女優」が読む、と書かれている。このことについての話がひとしきり。
若村さんの影身は、最初は生身の女性として登場するが、わりと早めに退場して(殺されたと暗示)、あとはこの世の人ではない存在として、後半の冒頭からずっと、上から(文字通り。見下ろす感じで)、源氏、平家それぞれを見守っている。そして、エピローグは「天の声」。この時、ずっと上から見ていたことがとても役に立っているという。

ところで、今回、多用された階段だけど、一段一段の高さと幅が、とても恐いんだそうで、そのてっぺんへ上り、下りることは、大変な苦労だったとのこと。

他に印象に残ったのは、「音」と「感情」ってことかな。ミュージカルにいくつか出たことのある成河くんは、「歌は音符通りに歌えばいいんだ。感情を込める必要はない。その通りに歌えばそこに感情はついてくる」と言われたとのこと。同様のことは、そもそも能の世界の人である萬斎さんには、自明のことで、地謡など「まず音ありき」。そこが新劇などの「感情を込める台詞」とはまるで違う。

群読はよく合ってたと思うけど、言葉じゃなくて「息を合わせる」を皆で意識した、エッヘン(という感じの答え 萬斎さん)。

司会の山口さんも、まだ公演中というのに「ぜひ再演を」と仰ってました。

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コメント

きびだんごさま

ポストトークのレポありがとうございます。
本編観た後だけにとても興味深く読ませていただきました。
特に「音と感情」の項は「!」となりました。
お能はまだしも、ミュージカルでもそんなふうに歌が先で
感情はついてくる、というスタンスなのか、と。

それから最後の萬斎さんの「エッヘン」はいかにも
それをおっしゃった時の萬斎さんの表情が目に浮かぶようです(*^-^)

投稿: スキップ | 2017.07.20 11:51

スキップさま
この話をする時の成河くんは、「ミュージカルに3つくらい(?)出ただけで、ミュージカル俳優とかおこがましくて言えないんですが」というような前振りから。考えながらきちんと話す/話そうとする姿勢が、とても好ましかったです。苦手意識を持っててごめんね、でした。
立て板に水、の萬斎さんだけのポストトークとはまた違って、相乗効果とでも言いますか、あれ?大事なこと言ってますよね、と。すぐに右から左に抜けちゃうのが情けない。
千穐楽に行けなくなったのは残念ですが、いやいや、このトークが聞けてほんとよかったです。

投稿: きびだんご | 2017.07.20 23:32

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