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2017.08.17

予備知識なしに見た「プレイヤー」

8月15日(火) 「プレイヤー」 19:00〜 於・シアターコクーン

作/前川知大 演出/長塚圭史 出演/藤原竜也、仲村トオル、成海璃子、シルビア・グラブ、峯村リエ、高橋努、安井順平、村川絵梨、木場勝己、真飛聖ほか

なんだか久しぶりのシアターコクーン、そして1階席! どうしてこんなにフンパツしたのかといえば、俳優よりは作&演出のせいに違いない。そして、チケットを文化村チケットセンターに申し込む時にチラッと読んだ「演劇の稽古場での話」(←たいそうアヤフヤ)みたいな部分も決め手だったかな。そういうのに弱いんですの

で、それ以来、何も情報を仕入れず、本チラシを読みもせずに劇場へ。見終わってから、コクーンで入手したチラシを読むと、ちゃんといろいろ書いてあるじゃん。つまりキモは

☆「死者の声が、選ばれし者(Player)の身体を利用し再生(Play)される」←劇団イキウメで初演された戯曲
☆「生者が死者の再生装置となっていく戯曲『PLAYER』」と、「俳優たちが劇作家の言葉を再生する『PLAY』を重ね、より大きな物語として再生できないかと構想」←長塚

ということですね。私なんて、単純にプレイヤー=役者としか思ってなかった。でも、全く予備知識なしに見る良さも、今回はあったと思うよ(強弁?)
とはいえ、前川知大の作だから、身近すぎるSFホラー、みたいなんだろうなとは思ってた。

藤原竜也が出るから、チケットは取りにくかったのかな。その辺り、どうなんでしょ?

前川知大と仲村トオルというのは、世田谷パブリックシアターの「奇っ怪」シリーズで二度ばかり見ている。劇団イキウメよりはそっちが前川さんの作風に接した初めだったと思う。
*スーパー歌舞伎ではイマイチうまく生かされてたとは思えない。

開演前、舞台の上には何脚ものパイプ椅子が整然と置かれているのみ。背景も、どこかの部屋らしい壁があるのみ。基本、ここが地方劇場の稽古場の一室で(まだまだ稽古で試行錯誤中)、後方に可動式の小さなセットが出てきて、ラジオ局のブースだったり、そのラジオ・パーソナリティの部屋になったり。

冒頭が、ラジオ局でのインタビュー場面。そのゲストの時枝(ときえだ・仲村トオル)は環境保護NPO代表であり、瞑想ワークショップもやっていることがわかる。ここからしてすでに、うわーーという感じ(精神世界臭がプンプン)。また、仲村トオルが、真っ当な人のようでいかがわしさ抜群なんだよ、一瞬で。

一転、地方の公共劇場の稽古場。プロデューサーが、この地出身の作家の遺作(未完成)上演を企画して、俳優たちが集まっている。有名な俳優から小劇場の人、地方劇団の人と様々。ここにさっきの時枝がいるんだなー(介護施設などを運営しつつ地方劇団に出演してる、と言ってたかな)。
この作品の立ち稽古に、現実の?事件が混ざって行って……

休憩までの第1幕は、うわわーと思いつつも(だって死者と交信するとか、ほんと苦手)、えっ?どうなってんの、という興味もあって、あっという間。
第2幕になって、より事件と芝居の稽古が混沌としてきて、若干ギブアップ気分もあったかな(いや、ギブアップはしないが)。見ている側も取り込まれそうな、不気味な感触もあり、夏の夜の怪談といった趣も。
もう一回見ていろいろ確認したいけど、(その時間があってチケットが取れたとしても)エネルギーがないかもね。

藤原竜也が、知人から相談を受ける刑事役なんだけど、衣装からしてまずそんな風に見えない(「なんでそんな格好してんの」と言われてたと思う)。……という違和感も計算済みだろうなと思わせるものが。
バックステージものの雰囲気もありつつ、うーん、これ役者さんもけっこう大変だったんじゃないかしら。その結果、とらえたものを迷いなく見る側に提出してくれてる感じもする。

プロデューサー(峯村リエ)と演出家(真飛聖)のクール・知的な雰囲気も好き。

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コメント

私は、コクーン席から見下ろしていて、ここにいれば取り込まれなくて済む!よかった!なんて感じていました。
仲村トオルの、真っ当に見えるところ。犯罪者を、よく「危ない人は真っ当を装って近づいてくる、見るからに危なければ人から避けられる」なんていうのとは、ちょっと違う気がしました。もちろん、確信犯的なことと、犯罪とは、別物でありながら境目が難しいとは思うのですが、そうじゃなくて、なんというか、何もかも正しい人に対して感じる根拠のない胡散臭さのようなものが、つかみどころがなくて怖い…仲村トオルが実利目的で勧誘してるっていうのがわかる方が、たぶんずっと怖くないです。
そして、成績が良くて行いも正しい良い子って、かつて同級生にもいましたけど、そういう人たちと信頼関係を築くのが難しかったのは、案外、自己防衛本能だったりしてと思ったのでした!

投稿: 猫並 | 2017.08.19 11:33

猫並さま
このところほぼコクーン席だったと思うのに、ついつい、でした。でも、F列の右端だったので、選べるならもっと後ろのセンターが良かったです。このお芝居に関しては、上から見下ろす方が、より客観視できる気がしました。
確かに、仲村トオルが演じる時枝の、正体が見えない感じというのか、「信じている人」(正しい人)を相手に論陣を張っても、糠に釘で取り込まれるのがオチ、だけれども、その肝心の彼の実体は何なの? などと、ずいぶんモヤッとしました。
たまたま昨日の昼、テレビをつけてたら相棒の再放送で「シュレディンガー」という名の猫が出てきて、うむむむ、となりました。

投稿: きびだんご | 2017.08.20 01:09

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