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2018.05.25

図書館的人生

5月23日(水) 「図書館的人生 Vol.4 襲ってくるもの」 19:00〜 於・東京芸術劇場シアターイースト

作・演出/前川知大 出演/浜田信也、安井順平、盛隆二、森下創、大窪人衛、小野ゆり子、清水葉月、田村健太郎、千葉雅子

イキウメの短編オムニバス、第4弾。私は今までタイミングが合わず(前回公演はチケットを持ってたのに)、今回初見。劇場でもらったパンフに、それぞれのストーリーと配役が記載されてたのに、全く見てなかった(劇場内は暗いんだよ。読む気がしない)。でもまぁ、予備知識ナシの方が面白い……かもしれないし。それに、今が何年なのかは、劇中で語られる。

#1「箱詰め男」2036年
アメリカで研究している一人息子(盛)が6年ぶりに帰国してみると(脳科学者である父親がアルツハイマーに、という連絡で)、父の頭脳は寄木細工の箱の中に収まってた! 小型だから抱えて持ち運びできるし、ベビーカーみたいなのに載せて散歩に連れ出すこともできる。
多方面からのカメラ搭載で周囲は見えてるし、ものすごく詳細な記憶もある。が、そこに別の感覚(嗅覚)が与えられた時……。
妻役の千葉雅子と、共同研究者の時枝(森下)の、あっけらかんぶりとか、思考のいかがわしさみたいなのが、じわっとくるわね。
あっ、箱の中の父親(の声)は安井順平だけど、これは録音じゃなくて毎回、舞台袖から喋ってるらしい。

#2 「ミッション」2006年
青年(大窪)が交通刑務所を出所するシーンから。一時停止を怠って高齢ドライバーの車と衝突し相手を死なせたためだった。それが実は不注意からではなくて「衝動」によるものだった。そういった自分の「衝動」に忠実にいたい、それが世界を変えるのかも。……自意識過剰な若者といったら大窪くんだわね。兄や同僚にはもちろん通じない。

#3 「あやつり人間」2001年
就活中の由香里(清水)と、サラリーマンの兄(浜田)、母(千葉)。没個性な就活に兄は物申すのだけれど、でも実際に彼女が、母親の病気再発をきっかけに就職戦線からも大学からも離脱したいというと、「いや待て!」自分の思いが伝わらないもどかしさ。それは同様のきっかけから別れたいと思う恋人も同じで……。

1人が何役も兼ねることもあり、#1〜3で共通して登場する(同じ人の30年後だったり、5年後だったりする)のが、ちゃんと把握できなかった憾みがあるなぁ。わかりやすい人=佐久間(田村)は、2では青年の同僚でストーカーをした過去がある、3の由香里の恋人・佐久間くんだ、とか。そうそう、2の衝動に取り憑かれる青年は山田輝夫で、兄・山田不二夫が1では箱詰めを望んだ脳科学者、というように。
AIの入れ物っぽい寄木細工(箱根ではない)の箱は、3で登場する由香里の友人(寄木細工の職人に弟子入り)が作ったのか、などと想像が働く。

善か悪か、とかいう言葉では全く割り切れない、モヤモヤしたもの。共感も反発も含みつつ、「何なんだ!」と思いながら見ていたと思う。
客演の俳優もみな表現が細やかで、とても良かったなー。


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