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2018.11.19

親と子、それぞれの人生……

11月14日(水) 「セールスマンの死」19:00〜 於・神奈川芸術劇場

作/アーサー・ミラー 翻訳/徐賀世子 演出/長塚圭史 出演/風間杜夫(ウィリー・ローマン)、片平なぎさ(妻リンダ)、山内圭哉(長男ビフ)、菅原永二(次男ハッピー)、伊達暁(ハワード)、加藤啓(バーナード)、大谷亮介(チャーリー)、村田雄浩(兄ベン)ほか

7月に下北沢B&Bで長塚さんのトークを聞いた時、このセールスマンの死について熱く語ってらして(そもそも好きな戯曲で温めていた)、遠い劇場だけれども頑張って行くことにしたのよー。で、やっぱり遠かったけど、座席は見やすいし、何より3時間余ダレることなく集中出来て、とても満足。

風間杜夫は何回か見たことがある、という程度。片平なぎさも、んー、だったので(見たのは「木の上の軍隊」だけ)、二の足を踏むとしたら、この2人に、だった。他のキャストは、みーんな好きな人たちだもの。でも、風間杜夫の悲哀と滑稽みが良くて、片平なぎさも変に主張しない存在でそれがピタリ、だった。息子2人がそれぞれに個性的だから、家族4人がいいバランスだったのではないかしら。

主人公ウィリーは、セールスマンとして黄昏の時を迎えている。かつてが輝かしかっただけに、それを受け入れられない。息子2人も、30を過ぎてなお、自分探しをしてたり(長男)、女にだらしなかったり(次男)。家も古くなって、いろんな支払いにも苦労するありさま。

ある種あやういバランスの上に、(虚勢を張って)生きているようなローマンの家族。かつて敏腕サラリーマンだったのと同様に、「輝いていた過去」がフットボールで活躍していたビフにもあった。その頃は絵に描いたように幸せな家族だった。自慢の息子、自慢の兄……それが高校を卒業できなかったことから(卒業する道はあったのに)暗転。
いつまでも昔の栄光にすがっていることが痛々しいし、親の過剰な期待と重圧、みたいなものの歪みもひしひしと……。

いろんなものが、少しずつ微妙に掛け違っていった結果、なのかなぁ、なラスト。
作品自体は古いのに、全く古びない「今」の物語として、目の前にあった。ほんと面白かった。(だからさぁ、長塚さんは自作のものより……ムニャムニャ)。

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