« 市馬落語集 | トップページ | 夏の風物詩*野外劇 »

2019.07.14

ギューギューの劇場で

7月10日(水)  「命、ギガ長ス」14:00〜     於・ザ・スズナリ(C列6番)

(松尾スズキプロデュース    東京成人演劇部vol.1)

作・演出/松尾スズキ    出演/安藤玉恵、松尾スズキ

 松尾スズキ氏は、去年芸能生活30年を迎えた(そういえば、そんな著書も出てたっけ)。今に至る人気の劇団を持っているわけだけれど、そこにはやはり大きな責任があるわけで……。今いちど、昔の楽しいだけでやってた時代を思い出す、「演劇部」を作ろう、ということで立ち上げたのだそうです。

 私が見に行くことにしたのは、安藤玉恵さんの存在が大きいのだけれど。スズナリへはちょうど開場時刻くらいに行った(劇場に近づいた、というのが正しい)。長蛇の列が見えて、まだ開場してないのかぁ、と手前の古書店にしばし。結局その列は当日券の人だったのでした。スズナリが狭いのはわかってるけど、前に花組芝居の時に作ってあった、真ん中あたりの縦の通路もナシ。最終的に、消防法、大丈夫?って感じのギューギューでした。この会場を選んだ時点で、そうなのよねぇ。でも、確かに部活の「演劇部」なんだ。

 開演前の諸注意アナウンスが吹越満(はじめに名乗る)。なぜかというと、劇中で効果音を担当してるからですよ!と。「例えば風の音とか、ヒュウ〜」。それが終わると、さて始まり。

 認知症の母親と、ニートな50男/その二人を撮影する(大学の卒業製作のドキュメンタリー)女子大生、その指導教授。というのが二人の役どころ。お墓の前(お墓があるわけではない)で、死んだ息子に語りかけるシーンから始まるのだけど、実は炊飯器に水をかけてた……。その二人を、撮ってるカメラがある。役がかわってその撮影する女子大生になった時には、カメラは「持ってるつもり」のエア・カメラ。これを開いたりするときに「ガシャ、カチッ」などなど、吹越効果音が入るのよー。

 徹底的にシンプル。要するに役者の身体だけがある、という状態。これはかなり好みなんだわね。もちろん、スズナリの狭さゆえの一体感もあるし。さらに、笑いのめしてるんだけども、8050問題やら、ドキュメンタリーとは?の問いかけもあって、ヒュルルルーって感じの屈折した笑いになっちゃう。

 スタッフ名などが、綱に短冊でつながって出てきたり(うまく言えない)、部活の手づくり感は最後まで。いま、こういうの作りたくなる、しかも自分でやりたくなる、という松尾スズキに、いままで若干引いて見てた私もちょっと近寄ってく感があった。

 

|

« 市馬落語集 | トップページ | 夏の風物詩*野外劇 »

演劇」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 市馬落語集 | トップページ | 夏の風物詩*野外劇 »