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2019.11.10

秋のKAATその1:

11月9日(土)  「ドクター・ホフマンのサナトリウム 〜カフカ第4の長編〜」18:30〜   於・KAAT神奈川芸術劇場 ホール

(KAAT神奈川芸術劇場プロデュース)1階5列17番

作・演出/ケラリーノ・サンドロヴィッチ     振付/小野寺修二     音楽/鈴木光介    出演/多部未華子、瀬戸康史、村川絵梨、音尾琢真、渡辺いっけい、麻実れい、大倉孝二、犬山イヌコ、緒川たまき ほか

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いやいや、かなり凝った作り……ゆえに?休憩込み3時間半、というのを知った時にはガーン。実際に、終演後アタフタと駅(日本大通り駅)に向かい、家に着いたら日付が変わる直前だったのでした。

凝った作り、というのは、そもそもの設定が、「カフカの知られざる長編が発見された!」というもの。それは現代、なんだけど(発見してそれを出版社に売ろうとしているのは渡辺いっけい、彼の「おばあちゃん」が幼少期にカフカと関わりがあり、そのエピソードを含む文章が綴られたノートが残っていた)、その「今」と、カフカの生きた時代がスルリと入れ替わる。

 入れ替わるといっても、じゃあそれはカフカと幼少期の「おばあちゃん」をめぐるストーリーなのかといえば、そんなわけではなくて……そもそも冒頭のシーンは、列車の中。大勢の乗客がいるが、そこに若い恋人たちも語らっている。男の子は戦争に行くらしい。でも、妙に不穏なのです。疲れた鹿が線路に横たわってたから列車が急停車したとか、サンドウィッチを買いに行ったまま戻ってこないとか。

そのシーンから始まって、先述の現代になるわけだけれど、それぞれにメイクもちょっと過剰っぽい。場面転換は小野寺さん振付の独特の動きだし、生演奏でトランペットやヴァイオリンも。そうそう、映像表現も欠かせないわね。で、現代の彼らも、その1923年に行っちゃったりするんだわ。

……と、要するに説明不能。時が飛び、場所が変わる。登場人物がどんな人かが語られない代わりに、コマゴマした部分の過剰さが際立つ(そこは大倉孝二が担うんだけども)。

KAATの奥行と高さを生かした舞台美術も素敵でした。3時間半、ケラ氏が描くカフカの迷宮に入り込んだ、としか言えないわねぇ。

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