« ご近所さんぽ | トップページ | 明日から! »

2020.03.15

いま観劇できる幸せ

3月13日(金) 「その鉄塔に男たちはいるという+(プラス)」19:00〜  於・吉祥寺シアター(G列15)

作・演出/土田英生  出演/①渡辺啓太、石丸奈菜美、立川茜、高橋明日香  ②奥村泰彦、尾方宣久、水沼健、土田英生、金替康博

 先日、ここに「上演します」ハガキを載せた、MONOの舞台、無事に初日の幕が開きました。これ、MONO30周年記念だしね。劇場での滞在時間をできるだけ短くするために、開場は開演の15分前に変更になってた。この日は暖かだったから、外のベンチ(結構たくさんある)に座って待ってたけど、今日みたいに寒い日はどうしただろう。そして、入ったところにアルコール消毒液は置いてあっても、特に促されるわけでもなく。このあたり、先に市楽くんの落語会で経験した徹底ぶりとはちょっと違うな、と。

 でも、客席に座ると、いま見られることの喜びがじわじわと。もうねぇ、回遊するマグロじゃないけど、これを止められたら何して生きていけばいいの?ですわ。

 さてお芝居は……。そもそも「その鉄塔に男たちはいるという」は22年前に上演されたものという。それを当時のメンバーで上演して(②)、その前に、去年MONOに加わった4人による別の話①を加えてある。……ということも全く知らず、キャスト表に①②とあるのは何かなー、あれ?休憩があるのか、なんて思ってた。

 ①②ともに、場所は同じ、どこか外国(アジアでしょう)の田舎の鉄塔の上。①はそこに旅行に来た女性と兄夫婦、そして女性の友人(現地に住んでいる)。夫婦、兄妹、兄嫁と妹、友人……さまざまな立場での、ありがちなすれ違いや、だんだん歯車のずれていく会話。人間関係のみならず、いま旅行に来ている場所の批判(電車が遅れる、タクシーがない、無愛想エトセトラ)や、ろくに調べもしないで旅行に来てることなど、あるある満載だった。

 その鉄塔には、50年前の内戦の跡があるんだけど、彼らの10歳の息子ハルノスケが生きている間くらいは、戦争なんて無縁だよね、という言葉にえっ⁉︎

  ②は軍隊の慰問から逃げ出してきたパントマイムのグループ4人。その中の一人が、ハルノスケという名で……というところで、あっ、①から続いてるのか。ハルノスケには10歳だったかの娘がいるから、それくらいの時間が経過している、ということ。ハルノスケはパントマイムに熱中してるとか、怖がりとか、①で語られてたのは、これね、と。彼らはリーダーと事務所の人を残して、その慰問先から脱走してきたらしい。4人の性格の違いから起こるあれこれが、また、あるあると思わせるんだなー。

 そこへ、兵士が一人やって来て、実は彼も脱走したのだとわかり、なぜかグループの仲間になってパントマイムもやってみたりする。味方の隊が鉄塔の下に現れ、彼ら5人が鉄塔の上で、(覚悟して)ネタを披露している時に暗転、そして機関銃の音。

 一つ一つは身近な、覚えのある感覚で、そこに笑いもいっぱいあるのに、求められることから外れたとき……。いやー、これきっと22年前より怖い話になってると思うよ。

 

|

« ご近所さんぽ | トップページ | 明日から! »

演劇」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ご近所さんぽ | トップページ | 明日から! »