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2020年8月

2020.08.29

サヘル・ローズとは、砂浜に咲く薔薇

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たまたま、続けてサヘル・ローズさんをNHKで見た。

「世界はほしいモノにあふれてる」とETV特集「サヘルの旅〜傷みと生きる」どちらもリアルタイムでは見てなくて、NHK+で見た後に再放送を録画(世界〜)とか、ETV特集も実際に落ち着いて見たのは少ししてから。

彼女のことは、NHKでやってた爆問学問で見たりとか、パルコ劇場の舞台でも見たよね、くらい。その人生もうっすら知ってる程度だった。だから、一緒に日本に来た「養母」が全く血の繋がりのない人で、(イラン・イラク戦争の)瓦礫の中から幼い彼女を救い出した、ということに驚いた。最初、人形の手だと思ったら、それが生きている子どもの手だった!  その手を掴んだ、運命。

 助け出された時、身元を知る人が誰もいなくて、名前さえも分からなかったという。つまりその辺りの家がほぼ全滅してた、ということよね。施設で7歳くらいまで過ごして、養子縁組をした時に、養母フローラさんがつけた名前が、砂浜の薔薇、という意味のサヘル・ローズ。イランの名家の出であるフローラさんも、その養子縁組をするために失ったものが大きく痛ましい。

日本でいじめに遭った、とサラッと言うけど、それがどんなにひどかったか想像に難くない。本当に肩を寄せ合って異国で生きてきたんだな、と思う。路上生活も経験した貧しさの中で、フローラさんはペルシャ絨毯を織る仕事を得たとのこと。手に職はほんとうに生きる糧だわね。サヘルさんも母から教わって中学生の時から4年間かけて織ったのが紹介されてた。三浦春馬くんのジャケットの色とピッタリ!

戦争の中で生まれ、身寄りをなくした、という経験ゆえの使命感も大きくて、そういう活動もしている彼女。いろんな意味で慰めは、土地を借りて育てている薔薇たちなのかも。ゆったり落ち着く時間が少しでも持てますようにと願わずにはいられない。

というわけで、録画はしばらく消せそうにありません。

 

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2020.08.24

真打昇進披露興行は、今席にておしまい

8月23日(日) 「池袋演芸場 8月下席 昼の部」14:00〜

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前座・市坊(のめる)、市若・饅頭こわい、林家ひろ木・?、林家木久蔵・?、笑組(漫才)、一朝・鮑のし、正蔵・鼓ケ滝……仲入り……口上(下手から、彦いち、一朝、柳勢、市馬、正蔵)、彦いち・反対俥、市馬・目黒のさんま、正楽(紙切り)、柳勢・中村仲蔵

 落語協会、春の真打昇進披露が、4月から中止になったので、その代わりに今月、末廣亭、浅草演芸ホールと来て、今席が最後。新宿、浅草は夜の部だったので行く元気がなくて、やっと池袋に行ってきた。寄席って当然、繁華街というか歓楽街というかにあって、都知事が目の敵にしてた「夜の街」周辺、だものねぇ……。

それはいいんだけど、池袋演芸場があまりに久しぶりすぎて、道に迷ってしまった。記憶のあるエスカレーターで地上に上がれず、当然、交番もなくて、思いっきり違う方向に歩いてしまった。まあ傷は浅かったんだけど。とにかく、長らく行かないでいるうちに、辺りの風景もすっかり変わってました。

 客席は最前列は座れないようにしてあって、2列目からも一つおき。出入り口のドアは開放、などなど(ゆえに、ちょっと外の声が気になる)。落語は、前半林家はともかく(笑)、しっかり聞いたな、という感じ。笑組のお二人はお祝いということで最後に南京玉すだれを。

新真打、柳勢くんは、今までの披露目では、かなり喋り込んできた噺をかけてきたけど、今日はこれからずっと磨いていきたい噺を、ということで、「中村仲蔵」を。芝居好きだものね。市馬師匠の惣領弟子らしい一席でした。

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2020.08.22

吉祥寺→三鷹→仙川

8月22日(土)

 本日のメイン・イベントは、こちら。三鷹市芸術文化センター風のホール。

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藤田真央ピアノ・リサイタル。本日がツアーの初日で、それが三鷹だったのです。都内はほかに東京オペラシティのコンサートホールでもあるけれど、ホールの大きさが全然違うのよね。

先月、川口成彦氏のフォルテピアノ・コンサートに行った友人と一緒だったので、まずは吉祥寺でのランチからスタート。今日はフレンチのお店のプレートランチをば。

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駅の近くの「ブラッスリー・エディブル」。パプリカの冷たいスープや、(何品か選べるメインから)鴨のオレンジソースなど、どれも美味でした。暑いし、と白ワインも頂きましたですよ。

で、リサイタルの後は、仙川に移動して、「蒔」で予約していたお弁当を引き取り。

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小田急バスの一日乗車券をフル活用した日でもありました。

とまあ、本日の日記は行動の概略のみ。水曜日に行ったパルコ劇場の三谷文楽のことも書かなきゃね、なんだけど。

 

 

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2020.08.20

冷んやり美術館から歌舞伎座へ

8月18日(火)

☆三菱一号館美術館「画家が見たこども展」

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たまたま招待券をもらっていたので、いつ行こうかなと思ってた。この日、歌舞伎座の第3部に行くことにしたので、じゃあその前に、と14時〜14時30分を予約した。都営新宿線を神保町で乗り換えて三田線日比谷駅からだと、地上を歩く距離が少ない気がする。

こんな真夏の昼間だから、人も多くない。一部屋独占ってこともしばしば。で、「室温21度」と表示されてたけど、想像以上に冷えましたわ。コロナ対策で、ブランケットの貸し出しもないし、しまいにはお腹が痛くなりそうなほど。

でも、ゆったり自分のペースで見られたのは確かで、「ナビ派」の描くこどもたちの、特に色合いを楽しんだ。ボナール、いいわー。

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こんなに暑いのに、薔薇が綺麗。

* * * * *

ここから歌舞伎座へ、気候が良ければ歩けるけど、今そんなことをしたら倒れてしまうよね。結局また地下鉄で移動。でも2駅では冷えた体は解凍されず(笑)、体温が測れませんでした。……というのは冗談だけど、反応が悪くて。

☆八月花形歌舞伎 第三部 (3階8列24)

「吉野山」猿之助(忠信実ハ源九郎狐)、猿弥(逸見藤太)、七之助(静御前)

今月は踊りばかり、というのは致し方ないところで……。かろうじて第4部が切られ与三だけど、これはひたすら時間の問題で見る予定がないのです。第三部は感覚としては、徐々に盛り上がっていった、というところかしら。

 

 

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2020.08.19

吉祥寺で映画を見る

8月17日(月) 「ファヒム  パリが見た奇跡」14:50〜  於・アップリンク吉祥寺

監督/ピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァル   フランス、107分

あつーいけど、家にばかりいてもねぇ、と映画館へ。悲しいことに地元のシネコンはスクリーンいっぱいあるのに、見たい映画が何一つない。ちょっと前まで「プラド美術館」をやってたからそれを見ようと思ったら、もはやなくなってた。仕方なく、次に楽に行ける(自宅前からバス一本)吉祥寺で、「ファヒム」を見ることにした。これは銀座か池袋で予告編を見ていた。

冒頭に「実話に基づく」とある。バングラデシュから、ファヒム(8歳)は父親と二人でパリに逃れてきた。父親が反体制派で、チェスで有名だったファヒムが誘拐されそうになったり身の危険があったから。バングラデシュからインドへ渡り(途中、袖の下がものをいう場面も)、そこからパリへ。でも、数日しかホテルには泊まれず、仕事も見つからない。二人ともフランス語はできない。路上で寝てる所を保護されて、難民保護センターのような所へ。ここで在留許可が出るのを待つのだけれど……。

ファヒムはチェスをやりたくて仕方ない。幸い教室に行くことになって、優秀な指導者と出会う。小さな教室だけど、世話好きの女性と、仲間たちのお陰で、チェスだけじゃなくいろんな楽しみも見つけていく。だけど、あっという間にフランス語が上達した息子に比べて父親はうまくいかない。不法滞在者として強制送還されそうに。

チェスの全国大会の様子などもたっぷり描かれてて興味深い。まあその部分だけみればサクセスストーリーなんだけど、実際には父親の苦労の部分が大きいかな。あと、ファヒムにはチェス教室の仲間がいてよかったな、とか。雪や海など、知らなかったものに触れた喜びも。少年や父親、チェスの指導者と、教室の事務をとってる女性……。それぞれにいいキャラクターというか、人間的に好感が持てる人たちなのが良かったな。

それはいいんだけど、アップリンク吉祥寺はねぇ……。ネット予約したのを現地で発券。スクリーンの入口でチケットをチェックする人もいないし(感染防止対策?  人を減らしてる?)。当然、体温チェックとか消毒とかの注意喚起はなくて、マスクちゃんとしてない人もいるよね、などなど、ちょっと好んで行きたくはないわね。ま、映画館ではどこもp体温測定まではやってないかな、だけど、もうちょっと危機感があってもいいのでは。

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2020.08.18

失せ物、発見!

8月18日(火)

 今朝、バッグの入れ替えをしていて、あれ?パスケースどこ、と思ったらここに。

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↑ 赤の矢印部分。ずーっとポケットと思ってなかった。というのも、知人のお母さんが作ったバッグでポケットがいっぱいあるのよ。今日探してたパスケースは、キーホルダーみたいに持ち手のところにセットしてたから(ビヨーンと延びる紐つき)、すぐに出てきて、オマケに「まだある!」

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上蓋部分を上げると、こんな感じでポケットが付いてる。まさか他にもポケットがあるとは思いもしない。頂いてから何年も、知らずに使ってたよ。で、あった!と取り出したらば、そこには2年前に失くしたはずのパスケース(ほんとは名刺入れ)も一緒に入っていたのですよ。うわーー。失くしたのはよく覚えていて、東武線の鐘ヶ淵駅と、半蔵門線神保町駅に問い合わせもした。入ってるSUICAは残高数百円だから諦めてもいいけど、ケースは気に入ってたので……。でも、見つからなくて。こんなところにあったのか‼︎  2018年9月18日まで有効の回数券も出てきた。

ほんとに、うっかりボンヤリにも程がある、と自分にあきれる。この紛失騒動も暑い時だったんだよね。

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というわけで、2年ぶりに再会。

 

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2020.08.16

リーディング「片づけたい女たち」を配信で

8月10日(月・祝) 「片づけたい女たち」生配信(13日16時まで)

作/永井愛 演出/渡辺えり 出演/3軒茶屋婦人会(篠井英介、深沢敦、大谷亮介)、草野とおる 音楽/会田桃子、入野悠自、草野とおる

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↑ 渡辺えり(おふぃす300)のツイートより

10日に座・高円寺1で行われたリーディングのうち、ソワレが生配信された。私はリアルタイムでは無理だったけど、アーカイブがわりと長かったので迷わず購入。この「片づけたい女たち」はもう16、7年前に、グループる・ばるで見ていたので、懐かしさもあった。

3軒茶屋婦人会は今年6、7月に「アユタヤの堕天使」を上演する予定で楽しみにしていたんだけど、残念ながら中止に。でも、こんな企画が進んでたのね。

元々の脚本は永井愛がグループる・ばるに向けて書き下ろしたものなので、その時の役どころはイメージ通りだったはず。つまり、高校時代の同級生3人で、キャリアウーマンのツンコ=岡本麗、金持ちと結婚したバツミ=田岡美也子、大衆食堂の女将おチョビ=松金よね子。はっきり覚えていたわけではないけど、これ以外にあり得ない‼︎  それが、今回のリーディングでは、それぞれに、え?という配役。キャリアウーマンが深沢さん、金持ちマダムが大谷さん、そして大衆食堂の篠井さん。この配役の妙がとてもよかったなぁ。

連絡の取れないツンコを心配してやってきた二人が、ゴミ屋敷と化している部屋に唖然として片づけながら(片づかない!)、あれこれと現在のこと、学生時代のこと、昔の同級生たちのことなどを語り合う。ツンコはやっと課長に昇進していたのだけれど、それだって前任者が介護を理由に辞めた(理不尽な異動で辞めさせられた)結果。そのことに関しても、学生時代の共通の苦い記憶に関しても、「傍観者でいたこと」「見て見ぬふり」への後悔が……。ま、随所に、永井愛らしさが出てる、とも言える。

3軒茶屋婦人会のチームワークバッチリで、最初のうちこそ以前の舞台のイメージが自分の中で邪魔をする部分もあったけど、ずんずん引き込まれてった。特に声を作るわけでもないのに全然、違和感ないし。

そして、今回、語り(ト書き読み)とウクレレ演奏を担当した草野とおるさんが、またよかった。無機的な語りじゃなくて、第4の登場人物、という感じ。それに効果音も声でやってて、救急車の音、電話の呼出し音など、上手くておかしい。

配信が13日の16時まで、ということで、「あと一回見る!」と、池袋に映画を見に行く電車の中などで頑張って見て、映画の始まる数分前に見終わりスイッチオフ。

ちょうどペルセウス流星群の頃で、私も学生時代に高校の同級生2人と鳥取に行った時に流星群を見た!と思い出した。この「片づけたい女たち」の3人のように、なかなか会ったりはできないけど、それでも「流れ星見たでしょ?」「そうだっけ」みたいに連絡取ったりできるのは、みんな元気でいればこそだなぁ、と。いろいろ思いも広がるリーディングでした。

 

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2020.08.15

やっと、きもの展

8月14日(金) 「特別展 きもの」於・東京国立博物館 平成館

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 会期末まであと10日ほどとなって、やっと行ってきた。実は招待券を持ってたの。ゆえに券面には旧会期が記載されていて、遠い目になってしまう。なんにしても日時予約だけはしなくちゃいけないから、12時〜のワク(残1だった←予約したのは11日)を。猛暑だから、早めに家を出て1時間ほど早く着いた。で、本館をゆっくり見てた。こちらにも着物関係が何点か出ていた。

 特別展は、まぁぁ豪華な刺繍や染めにうっとりし(重そう、なんて思ったり)、夏らしい帷子(麻)の色やデザインを楽しんだり。特に印象に残ったコーナーは「第3章 男の美学」かな。つまり、いわゆる女性の着る小袖などしか頭になかったから。「鳴かぬなら……ホトトギス」の3人の武将の陣羽織とか、火消半纏とか(カッコイイ)。

 近現代のお着物は、マネキンにズラッ、だったり、銘仙の柄に懐かしさを感じたり。母の物にそんなのがあったかも、と。でも、最後「KIMONOの現在」は、わりとフーンで出てきちゃった。X JAPANのYOSHIKIって、こういう人だったの!とは思ったけど。

 グッズはびっくりするほど欲しいものナシ。まあね、リラックマにも初音ミクにも興味はないし、ミッフィー展で私にしては爆買いしたことだし。

 見終わってからも、本館に戻って、休み休みトータル5時間ほど。暑い夏はここに一日いればイイじゃん常設展いつでもOKのパスポート持ってるんだし、と一瞬思ったけど、なにぶんここまで来るのが遠い多摩地方民。それに、わりと厚手のソックスと、長袖ジャケットで自衛しても冷えて足先がじんじんした。でも、暑さを忘れる目の保養となりました。

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2020.08.13

ホロウ・クラウン

8月13日(木) 「嘆きの王冠 〜ホロウ・クラウン〜  リチャード三世」15:00〜  於・シネ・リーブル池袋

監督/ドミニク・クック  脚本/ベン・パワー  出演/ベネディクト・カンバーバッチ、ジュディ・デンチほか //2016年、イギリス、135分

7月31日から、シネ・リーブル池袋で、ホロウ・クラウンのシリーズ全7作を一挙上映していた。ヘンリー六世(part1、2)と、リチャード三世は特に見たかったのだけれど、なかなかうまく予定が合わず、気づいてみれば最終日、だった。でも、いろんな形で上演されているリチャード三世だけでも見られて良かった。なんといってもこの秋のお楽しみは新国立劇場のシェイクスピア「リチャード二世」で、過去作品(ヘンリー六世とリチャード三世)の映像上映もあるのだから。ちょっと景気づけでもある。

 冒頭の「悪党宣言」から、カンバーバッチ‼︎だったし、とてもオーソドックスな作りで楽しかったなー。2時間以上が、あっという間。こういうストレートな作もいいもんだ、と思っちゃう。というのも、舞台でいろいろに上演されてきたからね。私が見たのはそのほんの一端だけれど、それらの記憶がよみがえってきたりも。変化球とはいえ、「国盗人」は忘れられないし、吉田鋼太郎の劇団AUNとか、佐々木蔵之介とか……。

圧倒的なカンバーバッチ・リチャードのほかには、女性が印象的。「呪うための存在」マーガレットの存在感と、リチャードの母(ジュディ・デンチ)の息子への憎しみの強さ!ブルブル。

あと、リチャードって最後には「馬をくれたら王国をやる」みたいにトチ狂っちゃうわけだけど、なんかそれを暗示してるかのように、チェスがやたらと出てくるし、王位についてから事態が不穏になってくる時に、指先をトントンするのが馬の蹄の音のようなのよね。それが何度も繰り返される。

最終決戦の戦場場面は雨。泥々の中に横たわる……。

で、5時過ぎに映画館を出て、ルミネのレストラン側に歩いてったら、みなさん外を見てる?  あら、綺麗な虹。というか、雨降ったの?でした。

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2020.08.12

能楽堂は熱い!でも冷え冷え

8月10日(月・祝)「ござる乃座 61st  第一日目」14:00〜  於・宝生能楽堂(脇正面わ列14番)

狂言「隠狸」萬斎(太郎冠者)、万作(主)ーー休憩10分

狂言「千切木」萬斎(太郎)、石田幸雄(当屋)、月崎晴夫(太郎冠者)、太一郎・遼太・竹山悠樹・岡聡史(立衆)、又三郎(妻)ーー休憩15分

能「屋島  大事  奈須與市語」シテ・観世清和、ツレ・観世三郎太、ワキ・宝生欣哉、ワキツレ・則久英志、御厨誠吾、アイ・野村裕基//大鼓・亀井広忠、小鼓・鵜澤洋太郎、笛・杉信太朗//地謡・大槻裕一、坂真太郎、野村四郎、観世喜正、谷本健吾

 

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もともと3月に2回公演が予定されていたが、延期になり、しかも客席一つとばしのために追加公演が組まれた(8月30日)。その第一日目。第二日目は12日。私はたまたま3月は都合が悪くて申し込んでなかったから、これで救われた感じ。しかも、今回は裕基くんの「奈須與市語」の披キが一大イベントなんだけど、能のアイとして語るのは今日のみ!  席は脇正面の最後列右端だったけど、前列視線方向に人がいないということもあって、とても見やすかった。脇正面から見る面白さーー二人が扇を前に出す角度が、完璧にシンクロ、とかーーもあった。

しかし、なんというか流石の顔ぶれ。名古屋の野村家からも出演されてるし、なんたって観世宗家&子息ですもんね(裕基くんと三郎太師は小学校の同級生と、パンフの巻頭言に)。地謡に大叔父にあたる四郎師も。どれだけこの披きが重要か、そしてそれを実現させる力、というものを思い知る心地。

万作さん89歳、声にも張りがあってお元気(90歳の萬師も矍鑠、ですよね)。近くで見てたら、呼吸音が気になったかも、だけれど。「隠狸」はどうも太郎冠者が腰から下げてる狸ばかりが記憶にあって、おお、こんな話だったっけね、という有様。アハハというストリーの中にある、謡や舞の美しさ。

「千切木」はまあ、空気を読まない男(巻頭言より)と、わわしい妻、集団いじめ(ネグレクト)な連歌仲間、といったところかな。つおーい妻が長い棒を太郎に渡して、これでやっつけろ、と言うんだけど、その棒をバトンのようにクルクルとするところ、おお!歌舞伎座では勘九郎さんがやってましたね、だった。これ、野村狂言座でやったら、妻は高野さんで決まり、のイメージだけど(それは固定観念か?)、又三郎さんで見られたのも良かった。

そして野村裕基くん二十歳。いよいよここから、というスタート宣言のようなものね。と思うと、幼い頃の扇子が巨大に見えた小舞とか、テレビで見た、靭猿ででんぐり返りが少なくて叱られ泣いてる姿とか、いろいろ思い出してウルウル。声がすっかり大人になって、特に低音部の発声に父親が重なる。

大鼓の亀井さん、小鼓の鵜澤さんの熱気がまたすごくて、うわぁぁ、と思う時があったな。そこに入る笛の空気感も。坦々と、のように、でも熱い時間が流れ、いっぽう3時間以上もいると能楽堂の中は寒くて冷え冷えして、身体が分裂しそうでしたわ。

パンフレットの巻頭言、今回はひときわ分量が多くて(1ぺーじにおさめるためにギッシリ)、そういえば、明治以降の狂言・苦難の時代のことは何回か聞いた(読んだ)ことがあった。この困難な現実を前に「能楽はおよそ七百年の歴史の中で、戦争も疫病も、政変もそして天変地異にも耐え抜いてきた自負を喚起して、文化は滅びぬと前向きになるための発信などをし……」「時代時局を見つめながら、その洗練と本質を保ちつつ如何に渡世と為して行くか、経営体力とセンスが問われる時代」等々。

 

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2020.08.10

久しぶりの中劇場

8月7日(金) 「イヌビト 〜犬人〜」13:00〜   於・新国立劇場 中劇場(1階11列34番)

作・演出/長塚圭史  振付/近藤良平  出演/松たか子(案内役/マツダタケコ)、首藤康之(タナカ)、島地保武(妻ツマコ)、西山友貴(息子カナタ)、近藤良平(保健所の人サルキ)、長塚圭史(ジョシュモト)ほか

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(左)開演前・ロビー (右)終演後・劇場からエントランスへの途中

長塚圭史の作・演出、近藤良平の振付で、首藤康之、松たか子出演、という新国立劇場の企画は、これが3作目。私は今まで見る機会がなくて、今回初めて。しかも今まで小劇場での上演だったのが、中劇場になった。

あっ、タイトルの「久しぶりの中劇場」というのは、新国立のここを指しているのではなくて、いわゆる小劇場・中劇場の話。観劇再開後、小劇場には行ってたけど(シアタートラム、新国立小劇場、下北沢・駅前劇場)、中劇場は初めて。そして大劇場はまだ。

もう少し、お子さんが多いかと思ってたら、それほどでもなかった……気がする。男性の一人客が意外に多かったように見えたなぁ。

長塚さんの作るお芝居って、なかなかわかりにくいことが多いんだけど、これはさすがに目の前で起こってることは不思議ながらわかるのではある。ある町に車で引っ越してきたタナカ一家(と飼い犬プティ)。でも道を尋ねようと車を降りたところから、なんだか不穏。えっ?犬ですって⁉︎    だんだんわかってくることには、この町には「夜型イヌビトウイルス」が蔓延してたのです!  夜にならないと感染してるかはわからない、というか、誰が感染してるのか……。

元々、考えられてたストーリーが、このコロナ禍で変わったらしい。そして出演者はマスク、マスク(進行を司る松たか子はフェイスシールドというよりマウスシールド装着)。これで歌ったり踊ったり。

舞台のセットも可動式のシンプルな絵だったり(車もね)、普通に妻を演じてる人が髭だったり、犬もモフモフとかのリアルじゃないけど可愛かったり。フィクションの世界にはいりこんでくる現実があったり。うーん、どこか絵本的なのかも。

中劇場ということは、ラスト、奥行きを生かした演出がまたよかったわね。

 

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2020.08.07

半年ぶりの歌舞伎座

8月4日(火) 「八月花形歌舞伎」

第一部「連獅子」愛之助、壱太郎、橋之助、歌之助

第二部「棒しばり」勘久郎、巳之助、扇雀

第一部、第二部ともに3階3列から(32番と16番)。発売日を失念していて、かなり出遅れたんだけど、まあこれくらいでいいか、というところ。実は第三部と四部はまだ確保してなくて、いつ行くかなと思ってる。昨日、web松竹を覗いててギリギリ思いとどまった日が急に仕事になったり、なんてこともあるし。夜はなんとなく行きにくいし……、さて。

「連獅子」は、意外なことに親獅子・仔獅子の感じは強かったのよね。あれ?と思うくらい。顔の存在感の対比かしらん(爆)。やっと再開された歌舞伎座で、まず連獅子、というのは良かったのかも。かなりサクサク進んでいく感じではある。

 第二部、舞台に勘九郎と巳之助が登場した途端に、わぁぁ納涼歌舞伎で三津五郎の「棒しばり」を見たのが最後になったんだ、と、しばし三津五郎のことを思い浮かべてしまった。あの時、勘九郎が太郎冠者だったんだもの、なおさら。そして、演目や出演者を見てただけでは、全くそれを思い出さないポンコツな私でもある。というわけで、なんだかシンミリしつつ見てしまった。もう7年も前のことだったのか。

なんとか上演にこぎつけたけれど、大変だなぁ、とついつい思ってしまう。この感染拡大の中では、いつ中止になるかわからないし。でも、下を向いてるわけにはいかないってことよね、私たちも。

 

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2020.08.05

わーい、銀座!

8月4日(金)←(火)

歌舞伎座第1部→「樹の花」にてランチ→歌舞伎座第2部→銀座教文館→松屋銀座ミッフィー展

* * * * *

銀座滞在6時間くらいかな。ギュッと詰め込みました。久しぶりに丸ノ内線銀座駅で日比谷線に乗り換えようとしたら、駅構内が激しく工事中でビックリしたー。これ、オリンピックが予定通りだったら、もう終わってた工事? 

歌舞伎座は2月いらい、ということは半年ぶりになるわけだ。入口からしてあの賑わいとは無縁なのだけれど、緊張感が漂うわね。とまあそんな歌舞伎座の話はまた……。

前日にミッフィー展の日時予約(ローソンチケット)をしていた。その前に見たときは全時間帯✖️だったと思うのに、◯が復活していてラッキー!と15時〜を予約した。第1部が終わってから、近くのローソンで発券したら、15:00Bで、15時30分入場とあった。軽くびっくり。

教文館で「図書」「銀座百点」をもらって(本も買いました!)、さあ松屋へ。これがねー、ちょっと時間に余裕があるからとセール中の売り場を物色しているうちに、ありゃま、お洋服を手にしておりましたよ(汗)。この間、買い物してないし!と正当化。

で、ミッフィー。懐かしいわね。誕生して今年65年!  私の子供時代は全く無縁だったけど、息子は「うさこちゃん」で馴染んでいた……はず。グッズも膨大でありました。あー、満足まんぞく。

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2020.08.04

夏に聴くマタイ受難曲

8月3日(月) 「三大宗教曲を聴く I マタイ受難曲」12:00〜 於・東京オペラシティ コンサートホール

(バッハ・コレギウム・ジャパン 第137回定期演奏会)

指揮/鈴木雅明 出演/森麻季、青木洋也、櫻田亮、松井亜希ほか 合唱&管弦楽/バッハ・コレギウム・ジャパン

 

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今年はバッハ・コレギウム・ジャパンの創立30周年。ゆえに今シーズンの演奏会はそれにふさわしいラインナップ……だった。そう、毎年必ず聖金曜日に演奏されるマタイは、4月10日のはずだったのです。それが、公演延期となり、新日程はわりと早くから8月3日18時30分と出されていた。が、感染症拡大防止のためのガイドラインに従うと、客席を半分にせざるを得ないために、昼夜2回公演となった。

BCJからその旨記載された手紙が来て、返信用封筒に希望回を書いて旧チケットを送った。その後、今度は入場券となるハガキが到着。こういう事務処理もほんと大変よね。

昼の方が私は都合が良かったとはいえ、12時開演ではちょっと苦しい。ゆっくり食事してる時間なんかないから、オペラシティにたくさんある野外のベンチで軽食をパクッとしてから会場へ。もちろん、検温(手首だった)、アルコール消毒などなど。プログラムや物販も当然なくて、字幕が出た(パイプオルガンの左右部分に縦に)。

海外から招聘予定の歌手は来られないから、かなりのメンバー変更が。森麻季さん登場はそれゆえ。華やかさだけでなく、「伝わる歌」という感じ。そして福音史家を務めた櫻田さんほか、オリジナルメンバーも大役に挑んだ。たぶん少し小粒にはなったんだと思うけど、そこは長年の蓄積があるわよね。

最初にオケの人たちがステージに登場したところから、すごい拍手。だってねー、ここまで待ったんだもの。というか、よく開催まで漕ぎ着けた、という気持ちかな。

これ、休憩込みで3時間あるから、聴いてる方もけっこうエネルギー消耗しちゃう。それなのに、2回公演なんて、超人的!

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夜の部の終演時は、スタンディングオベーションだったらしい。

そうそう、私の席は1階20列16番で、センターブロックのちょうど真ん中。指揮者とその奥のオルガニスト、つまりは鈴木親子の真正面でした(遠いけどね)。で、なぜかこの列のセンターブロックには私だけ!  他の列は4人くらいは座ってるのに。どうしたんだ。

そして2列前に母子がいて、お子さんはせいぜい小1くらいかな。大人でも聴き通すのはなかなか大変なのにね。騒いだりしたわけじゃないけど、やはり後半は飽きてたみたい。なんか可哀想で気が散ってしまったよ。

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2020.08.03

フェイスシールドをつけてお芝居を見る

8月1日(土) 「無畏」14:00〜   於・下北沢・駅前劇場

(劇団チョコレートケーキ第32回公演)

脚本/古川健  演出/日澤雄介  出演/林竜三(松井石根)、渡邊りょう(田村明政=私設秘書)、青木柳葉魚(飯沼守=陸軍少将)、近藤フク(武藤章=陸軍大佐)、原口健太郎(柳川平助=陸軍中将)、今里真(中島今朝吾=陸軍中将)、岡本篤(中山勝聖=巣鴨プリズン教誨師)、西尾友樹(上室亮一=東京裁判日本人弁護士)、浅井伸治(声)

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↑ 参考資料、チラシ、フェイスシールド

劇団チョコレートケーキ。「歴史的な事実を参考にしたフィクション」を上演する劇団、といえばいいだろうか。今回は、松井石根と聞いて、しょうじきウムムとなってしまい、見に行こうかなどうしようかな、という感じだった(……のわりに、いち早く予約してるんであるが)。だって、南京事件の人でしょ、ということしか頭になかったから。苦手なのよ、あの辺りの話。百人切りウンヌンとか、昔のオピニオン誌なんかが好きそうな題材でもあり。

それはさておき、下北沢の小さな劇場での上演だから、検温、消毒(手指、靴裏)、座席配置など、できることは全部やります、という感じ。舞台から2メートルは離れているけれども1列目、2列目の人はフェイスシールド着用とのことで、2列目の私も、初めてつけたのでした。わりと余裕を持って席についてたから、開演までに慣れたようでそれほど違和感はなかった。あったとしても、たぶん「安心感」が勝ってたわね。舞台の前方で、秘書氏が相当熱くなって口角泡を飛ばす、というシーンもあったし。いちいちギョッとして現実に戻っちゃうんだよね。全く、コロナめ、と思うのはそんな時。

日本におけるコロナとの戦い(戦い以前の問題?)が、太平洋戦争に重ねて語られることがあるけど、台詞にもそんな、今を思い浮かべる部分が。上海派遣軍の司令官である松井が「責任は全て私にある」と言う、そのことの「思考停止」を弁護士から糾弾されたり……。

「無畏」とは馴染みのない言葉だなと思ったら、仏教用語とのこと。その本来の意味でなく「死を怖れない」との意味合いで、松井は辞世の句に使っているという。

 一人の人間としてはとてもいい人でも、組織の中にあっては、判断力や指導力、エトセトラこそが重要。いつも時代もそれは変わらないなー、などと思いつつ。

それにしても、西尾友樹はちょっと暑苦しいのも含めていいわねー。もう一人の劇団員、岡本篤は、一捻り裏があるのかと、つい思ってしまったよ。

 

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